中国内陸部の重慶市に、観光スポットになっているモノレールの駅がある。車体がまるでビルの壁に吸い込まれるようだとSNSなどで有名になり、5年ほど前から大人気だ。実はこの場所、日本との縁が深い。
2日、モノレール2号線の李子壩駅前にはたくさんの観光客が陣取っていた。ビルの6~8階が駅として使われており、モノレールが通るたびに集まった人たちが地上から一斉にスマホを向けて撮影する。
シンガポールから訪れた男性(50)は、「すごい!」と興奮気味の息子(6)のかたわらで、「見るのは楽しいけど、このビルに住むのはちょっと嫌かも」と笑った。
在重慶日本総領事館によると、モノレール2号線は日本の途上国援助(ODA)を活用して、中国初のモノレールとして2005年に開業した。仏図関駅そばの壁面には、2号線の建設に携わった日中両国の関係者らの手形や名前が残されている。この日は金杉憲治・駐中国大使が現地を視察し、両駅間をモノレールに乗って移動した。