世界的なベストセラー「21世紀の資本」の著者で仏経済学者のトマ・ピケティ氏は、トランプ米政権の関税政策について「ばかげている」と批判し、インフレが米国内の格差を広げる懸念を指摘した。過去の米国の経済的な優位性を育んだのは関税でなく「教育」であり、「トランプ大統領はその点を完全に見落としている」とも述べ、米経済の再建に向けて教育の拡充にこそ力を入れるべきだと訴えた。
パリで8~9日に行われた格差問題に関する国際会議後に朝日新聞の取材に応じた。
ピケティ氏はトランプ氏について「米国が(貿易で)ひどい扱いを受けてきたかのように装う手法は極端で、あまりに自己中心的だ」と非難。貿易システムの「本当の敗者」は米国でなく、「アフリカや南米、南アジアといった地域にある最貧国だ」と指摘した。
その上で、経済的に豊かなグ…