見た目はテニスにそっくり。ただ、コートもラケットも一回り小さく、卓球やバドミントンにも似ている――。そんな米国発祥のスポーツ「ピックルボール」がいま、日本でも人気を集めつつある。元全米王者は言う。「これは日本人に向いている競技なんだ」
「カコーン」という心地よい打球音が響いていたのは、東京都内で4月中旬に行われた普及イベントだ。大学生の矢部有紗さん(22)が仲間と初挑戦していた。少しプレーしただけで、すぐにラリーが何十回と続くように。「テニスに比べ、ボールがゆっくり返ってくるので打ち返しやすい」と笑顔を見せた。
ボールに穴 初心者でも軽快にラリー
打ち返しやすさの秘訣(ひけつ)はボールにある。
直径7センチほどのプラスチック製で、表面にはいくつもの穴があいている。テニスボールに比べて、空気抵抗で速度が落ちやすく、初心者でもラリーが続きやすい。
「パドル」と呼ばれる板状のラケットで、ネットで区切られた相手コートに打ち返すのが基本的なルールだ。コートの広さはバドミントンと同じで、体育館でも屋外でもプレーできる。
競技名の由来は犬!? 米で人気が沸騰したワケ
ピックルボールは1960年…