鹿児島県奄美大島沖でサンゴの産卵が始まった。放出されたピンクの粒が夜の海中を漂う神秘的な光景を、奄美市名瀬の自然写真家、興克樹さん(53)が撮影した。
21日正午ごろ、龍郷町の波打ち際で、サンゴの卵などが帯状の赤いかたまりとなった「スリック」を確認。同日夜に周辺を潜水調査したところ、午後11時過ぎから、卵や精子が入った直径0.5ミリほどの「バンドル」と呼ばれるカプセルが次々に放出されるところに遭遇した。
現場は同町の倉崎海岸の沖約20メートル、水深約2.5メートル。ミドリイシ属のハナガサミドリイシとキクハナガサミドリイシの2種5群が一斉に産卵していた。ゆっくり浮上したバンドルは海面ではじけて受精し、やがて幼生が海底に定着する。
興さんは、「風向きによって…