日本とは異なり、欧米でファッションとしてのタトゥーが定着しつつあるのはなぜか。タトゥー文化に詳しい都留文科大の山本芳美教授に、その背景や歴史をひもといてもらった。
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罪人の印、アウトサイダーという負のイメージも
タトゥーとは古代からある身体装飾の一つで、いまでは世界中で定着しつつあります。成人のうち、ドイツでは50%、米国では25%以上がタトゥーを入れているというインターネット調査もあります。2%と言われる日本とは状況が大きく異なります。
タトゥーは何らかの方法で傷をつけて色素を挿入することにより、皮膚に痕跡を残す行為です。入れる意味合いは民族や地域によって様々です。苦痛に耐えることで勇敢さを示す通過儀礼という面も存在します。獲物を狩った、織物の技術を取得できたという資格証明や、社会的な階層や宗教的な観念を示すものでもありました。ですから、先住民族の間では民族固有の文化として復興させようという動きもあります。
欧米には独自のタトゥー文化…