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作業の合間、水冷ベストの背面タンクに入れた冷凍ペットボトルを交換してもらう作業員。空調のない屋外で少しでも身体を冷やせるようにと園芸用噴霧器でミストをかける=2024年7月3日午後2時8分、東京都北区、遠藤真梨撮影
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 東京都北区の工事現場。炎天下、大成建設など3社で作る共同企業体(JV)の作業員ら約120人が働く。梅雨の晴れ間となった7月初旬、現場は34度になった。

 「低温サウナの中で仕事している感じです」

 JVの作業所長・後藤修二さん(50)は話す。

 災害時の断水などに備え、地下に巨大な貯水タンクを造る、王子給水所(仮称)配水池築造(はいすいちちくぞう)工事。屋根も空調もない現場では、熱中症対策に様々な工夫を凝らしている。

 気化熱で体感温度が少しでも下がるよう、軀体(くたい)内6カ所に大型ミストファンを設置して噴霧。体内にこもった熱を少しでもさましてもらおうと、休憩所ではかき氷を提供する。この他にも、身体の深部体温上昇をアラームで知らせるウェアラブルデバイスや、タブレットに顔をかざして撮影した顔色や表情などから、AIが熱中症の危険度を判定する最先端システムも活用する。

 しかし、生コンクリートを型枠の中に流し込み、貯水タンクの壁や柱を造る工程は、固まり始めるまで、手を止めず一気に作業をしなければならない。その間、休憩を挟み約6時間。涼しい場所へ逃げられない作業員の身体を、どう冷やし続けるかが課題だった。これまでも園芸用噴霧器でミストをかけて体を冷やしていたが、今年新たに導入したのが冷凍ペットボトルを使った「水冷服」だ。

 水冷服背面のタンクに入れた冷凍ペットボトルとコップ1杯程度の水。バッテリーで駆動するモーターが水を吸い上げ、冷凍ペットボトルの頂点から流し落とすことで冷水を作る。それをベスト内側のシリコーンチューブへ循環させて身体を冷やす仕組みだ。

 冷却時間は、水冷服のグレードの違いにもよるが約90~180分。冷凍ペットボトルを交換することで連続使用できる。

 「冷水が通るチューブが身体に密着して、背中や脇にダイレクトに冷たさを感じる。涼しい」と現場でも好評だ。

「暑い環境、熱い空気が回ってくる」

 開発したのは電動工具メーカ…

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