5月のフィリピン中間選挙で選ばれた新国会議員が6月30日に就任する。上院では対立するマルコス大統領派とサラ・ドゥテルテ副大統領派がほぼ拮抗(きっこう)し、「対立疲れ」の受け皿となった中道勢力も勢いを増す。サラ氏に対する弾劾(だんがい)審理と、2028年の次期大統領選を見据えた主導権争いが本格化する。
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「私には多くの敵がいる。これ以上、敵はいらない。必要なのは友人だ」
マルコス氏は選挙後、ポッドキャストの番組でこう述べ、ドゥテルテ陣営に対し、政策を前に進めるために和解すべきだと呼びかけた。
また、無所属や中道系の議員の取り込みにも注力する。選挙結果が事前予測より失速したことを受け、5月、全閣僚に辞表提出を求めた。大半が再任される結果となったが、中道系議員が物価高対策や雇用創出などを喫緊の課題に挙げる中、「迅速かつ成果重視で課題に取り組む陣容にする」とアピールした。
一方、サラ氏はマルコス陣営への対決姿勢を緩めていない。
フィリピンメディアによると…