南シナ海で8月7日、共同訓練に参加したカナダ軍艦艇を見守るフィリピン海軍の要員たち。フィリピン軍提供=AP

 フィリピン軍は10日、南シナ海のフィリピンの領空内でパトロール飛行中の空軍機が、中国軍機から「フレア」と呼ばれる照明弾などを使った危険で挑発的な行為を受けたとして、強く非難する声明を出した。

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 現場は両国が領有権を争うスカボロー礁の上空。声明によると、8日午前、定期パトロール飛行をしていたフィリピン空軍のプロペラ機の飛行経路上で、中国空軍機が危険な操縦を行い、照明弾を投下。「乗員の命を危険にさらした」という。

 これに対し、中国軍の南部戦区は10日の声明で、フィリピン空軍機が「再三の警告を無視し、中国側の通常の訓練を妨害した」と主張。退去させた手順は「専門的で規範化されたものであり、正当で合法的だ」とした。

 ロイター通信によると、中国に批判的なマルコス大統領が2022年に就任して以来、中国の艦艇による危険行為は相次いでいるが、空軍機による危険飛行をフィリピン側が非難するのは初めてだという。(バンコク=武石英史郎、北京=畑宗太郎)

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