2023年11月22日、フィンランド北部サッラの国境で並ぶ移民たち。フィンランドの写真配信会社レティクバ提供=ロイター

 「フィンランドがロシアと接する1340キロの東部国境を閉鎖する」。昨年11月、こんなニュースに驚いた。

 昨秋以降、隣国ロシアからフィンランドに入国しようとする移民が急増したことが理由だという。ロシア国民ではなく、ほとんどが中東やアフリカなど第三国から来た人だ。

 「国境や社会を不安定にするため、ロシアが移民を『手段』として送り込んでいる」。フィンランド政府はそう認定し、11月末までにロシアと接する8カ所の国境検問所をすべて閉鎖。ほぼ再開することなく、今年4月上旬に閉鎖の無期限延長を発表した。5月には「手段化された移民」を国外退去させる法案を議会に提出した。

 「世界一幸福な国」といわれ、穏やかで平和なイメージがあるフィンランドで何が起きているのか。現地へ飛んだ。

移民の姿が見えない

 フィンランド南東部ラッペー…

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