Smiley face
写真・図版
サンフランシスコでのパベル・ドゥロフ氏=2014年、ニューヨーク・タイムズ

How Telegram’s Founder Went From Russia’s Mark Zuckerberg to Wanted Man

 10年以上前、パベル・ドゥロフ氏が作った野党政治家のフェイスブックに似たサイトのページを閉鎖するようロシアが迫った時、このテック起業家は、オンライン上に挑発的な画像を投稿した。パーカを着て舌を出した犬の画像だった。

 彼は悪びれることなく「グループをブロックするよう要請されたことに対する情報機関への公式回答」と書き込んだ。

 それから13年、ドゥロフ氏の反体制的な姿勢は、当局との新たなトラブルを引き起こしたようだ。8月24日、彼は2013年に設立したオンラインコミュニケーションツールであるテレグラム[Telegram]上の犯罪行為に関する捜査の一環としてフランスで逮捕された。テレグラムは、ユーザー行動の取り締まりに関与しないグローバルなプラットフォームに成長していた。

 26日、マクロン仏大統領はドゥロフ氏の逮捕に言及し、フランスは「表現の自由を守ることに深く関与している」と述べた。しかし「法治国家では、ソーシャルメディア上でも実生活でも、自由は法的枠組みのなかで守られる」とした。

 ドゥロフ氏の逮捕は大論争を引き起こし、特にオンラインコンテンツに対する監視が世界的に強まるなか、言論の自由と政府による検閲について心配する人々の間で、彼は民衆の英雄に仕立て上げられた。ソーシャル・プラットフォーム「X」(旧ツイッター)を所有するイーロン・マスク氏や、機密情報を公開した後にロシアに逃亡した米情報機関の元職員エドワード・スノーデン氏も、ドゥロフ氏をすぐさま擁護した。テクノロジーと言論の自由の曖昧(あいまい)な関係について議論が沸騰するなか、ハッシュタグ「#FreePavel(パベルを解放せよ)」はX上で広まった。

  • 【注目記事を翻訳】連載「NYTから読み解く世界」

ドゥロフ氏はどのようにテレグラムを創業し、なぜ追われる身となったのでしょうか? NYTの記者が過去の発言などから、その信条をひもときます。

 テレグラムは25日の声明で…

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