岐阜県の奥美濃地方で暮らしながら、豊かな自然や日常の哀歓を歌い続けるフォークグループがある。フォークがブームだった時代に結成され、この春で50年を迎えた。
1975年3月、岐阜県郡上市八幡町(当時は郡上郡八幡町)の歌声喫茶で産声を上げた。名古屋からUターンした若者ら4人がコアメンバーとなって結成した。
グループ名は「ピペファート」。中国語で「屁(へ)」の発音「ピ」に、おならを意味するフランス語「ペ」、英語の「ファート」を連ねた。
「田舎の町だから面白いことなんてなくてね。おならでもしながら気軽にやろうと名付けたんです」。結成メンバーの増田康記さん(74)はそう振り返る。
当初は、「フォーク」とは何…