テレビ朝日の社屋=東京都港区

 元タレントの中居正広さんが起こした女性とのトラブルへのフジテレビの対応が問題視されている件をめぐり、テレビ朝日の篠塚浩社長は25日の定例会見で、アナウンサーを対象としたヒアリング調査を再度行っていると明らかにした。

 テレ朝は1月22日、中居さんに関する週刊誌報道を受けたヒアリングを「第一次調査」として行い、「食事会等での不適切な行為の報告はありませんでした」と公表。

 今回は「第二次調査」という位置づけで、コンプライアンス担当部門がアナウンサーや制作現場など約70人にヒアリングを実施。「より広範に人権リスクの有無を丁寧に聞いていく」(篠塚社長)という。

 テレ朝は中居さんのレギュラー番組「中居正広の土曜日な会」を打ち切り、同時間帯は4月から「ワイド!スクランブル サタデー」を放送することを決めている。

 この日の会見では、昨年12月19日発売の「女性セブン」がトラブルを報じる直前に、同社に中居さんから「雑誌の取材を受けた」と報告があったと明らかにした。事案の詳細は「守秘義務があるということで、教えていただけませんでした」(篠塚社長)といい、視聴者や広告主の反応を踏まえて「土曜日な会」の打ち切りを決めたとした。

 フジをめぐる一連の問題は、テレ朝の広告営業にも影響を与えている。1月のスポットCMの売り上げは前年同期比119.1%と好調だったが、橋本昇取締役は「フジテレビの影響で異常値が出ている」。フジでのCM放送を見合わせた広告主が、他局でCMを放送しようとする動きがあるためだが、「もともと放送枠を売り切っているのが実態で、増収効果はそれほど大きくないのでは」と橋本取締役は語った。

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