2月にフジ・メディア・ホールディングス(FMH)の大株主となった、SBIホールディングス傘下の資産運用会社レオス・キャピタルワークスの藤野英人社長が、朝日新聞のインタビューに応じた。フジテレビの一連の問題に関する第三者委員会の報告書の受け止めや、フジ側が発表した新役員人事への評価などを語った。主なやりとりは次の通り。
――第三者委員会の報告書の受け止めは。
「予想よりひどい。コンプライアンス、企業文化にかなり問題がある。報告書の中の幹部クラスのやりとりを見ても、人権意識が欠けている点が多く、特に女性に対する考え方が非常に古い。メディア全体の問題だとの指摘もあったが、フジ固有の問題が大きいと感じる。2010年ごろから社会的に多様性やコンプライアンスが重要になってきたにもかかわらず、そこから取り残され、浮世離れしてしまっていたのではないか」
「フジテレビには、過去に成功した人たちをリスペクトする文化がある。それと表裏一体で、成功者は何をしてもよくて、(周囲は)それを受容しなければいけないという文化もあったのだと思う。よいところと悪いところが混然一体とした文化に根ざしているところがあり、よい面だけ残して、悪い面だけをなくすのは大変そうだと報告書を読んで思った」
――フジ問題発覚後の1月20日から株取得を始め、2月6日までにFMH株の5.12%を取得しています。このタイミングで大量保有した理由は。
「チャンスだからだ。米国ド…