国民議会(下院)選挙で与党連合が大敗した結果、新内閣の不在が続いていたフランスで5日、中道右派の野党・共和党のミシェル・バルニエ氏(73)が新首相に就いた。下院で過半数に届く勢力がないなか、マクロン大統領はベテラン政治家に内政の混乱を収束させる難役を任せた。
バルニエ氏は5日夜、マクロン氏からの任命後に首相府で引き継ぎ式を終えた。来年度予算案の準備期限が迫っており、今後は組閣を急ぐ。初演説では「多くの声に耳を傾け、多くの敬意を払う必要がある」と述べ、下院で対立する党派間の協力を模索する姿勢を強調した。
バルニエ氏は1973年に地方議員として政治家の道を歩み始めた。シラク政権で外相、サルコジ政権で農相を歴任し、英国の欧州連合(EU)離脱時には、EU側の首席交渉官を務めた。
AFP通信によると、1958年に始まった現行の政治体制「第5共和制」の首相としては最高齢。最年少だった前任のアタル氏(35)と対照的だ。半世紀に及ぶ政治経験などから、一部の仏メディアは「フランスのバイデン(米大統領)」と呼ぶ。
フランスでは慣例的に、大統…