2年足らずで4人の首相が交代したフランス。新首相が就任した10日、全土で反政府デモが行われた。「すべてを封鎖せよ」とするキャッチフレーズがSNSを発端に広まり、仏内務省によると、17万5千人が参加した。出口の見えない政治の混迷に市民は何を思い、何を望むのか――。パリで参加者に聞いた。
- フランス全土で反政府デモ、17万人が参加 マクロン氏に辞任圧力
普段は通勤客や旅行客が多く行き交うパリ北駅。この日は多くの警察官が動員され、物々しい雰囲気に包まれていた。パリ近郊に住む国家公務員のマヤ・ダラスさん(48)は、人生で初めてデモに参加するため、午前中から駅周辺を訪れた。
「私は公務員ですが、公金がどこに使われているかわかりません。自分の部署には(予算は)回ってきません」とため息をついた。政府が7月に提案した歳出削減案では、公共サービスの削減が盛り込まれるなど、公共部門は苦境に立たされている。
ダラスさんは公務員としてデ…