Smiley face
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出張先でも地元の書店を訪ねてみるという木場弘子さん=横関一浩撮影
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 フリーキャスターの木場弘子さん。最近になって書店通いにはまったそうです。きっかけは自著の出版でしたが、何度も訪ねているうちに、書店にはたくさんの「縁」が詰まっていることに気付きました。木場さんが書店通いを続けるわけとは――。

「表紙の世界」はプレゼンに通じる

 これまでどちらかといえば、書店は苦手なほうでした。それがこの6月に著書「次につながる対話力」を出版するにあたり、どのような表紙にしようかと、他の本の表紙を研究するために通い始めたところ、はまってしまいました。

 縦横それぞれ十数センチのスペースに、一目見て手に取ってもらうための工夫が凝縮された表紙の世界が、まずおもしろかった。本文があって、何が書かれているのかを列挙した目次があって、それらの集大成が表紙になる。

 情報を詰め込みすぎれば本のテーマがぼやけ、デザインに凝りすぎると何の本だかわかりにくくなる。プレゼンテーションのコツに似たところがあり、私の本業である伝える仕事に通じるところもあります。

 書店を回りながら研究を重ね、自著ではシンプルさを心がけました。遠くから見てもタイトルが目立ち、何が書かれている本なのかわかるように。デザインされた矢印の太さにもミリ単位でこだわりました。

 青を基調にしたのは知的なイメージにしたかったのに加え、発売時期が夏だったから。ピンクという案もありましたが、クールでさわやかな青を選びました。

平積みされた本の表紙から得た気付き

 本ができあがってからも、近…

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