鳥羽水族館(三重県鳥羽市)に、30年近くも「純愛」を貫く2羽のフンボルトペンギンがいる。開館70年の歴史をみてもこれほど長く続いたペアはいないという。この秋に迎える30年の「真珠婚」を祝える日を飼育員たちも心待ちにしている。
フンボルトペンギンの妻の名は「ルル」。1993年5月22日に同水族館で孵化(ふか)し、現在、飼育されている52羽の中で最高齢だ。夫の「ピーナツ」も94年12月25日に同水族館で孵化。繁殖期を迎えた95年秋にめでたく結ばれた。
以来、6年前までルルは40個近く卵を産み続け、2羽は協力して卵を温めてきた。
その「ラブラブぶり」は約30年を経た今も変わらない。昼間はそれぞれ思い思いに泳いだり、陸上で羽根を伸ばしたりすることが多いものの、朝夕は決まった場所でぴったりと寄り添い、お互い毛繕いをしている。
南米のチリやペルーに生息するフンボルトペンギンの寿命は、自然環境下では15~20年とされる。一方、動物園や水族館で飼育されることで、30歳を超える長生きの個体もいるが、国内で飼育されているフンボルトペンギン約1800羽のうち1割程度という。鳥羽水族館で30歳を超す個体は、ルルとピーナツを含む6羽だけだ。
30年寄り添う「夫婦」は初めて
同水族館は55年5月に開館…