中国はスケールがデカいですな。「アナと雪の女王２」や「インサイド・ヘッド２」を抑えアニメーション映画の世界歴代興行収入1位に躍り出た中国のCGアニメ「ナタ 魔童の大暴れ」が公開中です。大軍が入り乱れる戦闘シーンが見もので、IMAXでの鑑賞をお勧めします。あと渋いイケオジとクールな美少年とブサカワなガキもいいですぜ。
先月から公開中の中国CGアニメ「ヨウゼン」も見たら、何と両作ともラスボスが×××××で面白かったのですが、それはネタバレになるのでオチまでとっておきます。
「ナタ 魔童の大暴れ」は「ナタ 魔童降臨」（2019年／日本未公開）の続編。設定が少々複雑な上に、耳になじみのない神話・伝説の用語が乱れ飛ぶので戸惑いますが、本来相いれない因縁の元に生まれた「魔丸の転生体」ナタと「霊珠の化身」ゴウヘイという類いまれな力を持つ2人の少年が友情を結び、激しい闘いに勝利したものの肉体を失い魂だけになってしまった、というのが前作のオチ。続編はナタの師タイイツが仙術で2人の肉体を復活させるところから。
術に必要な特別な蓮（はす）の花の力が尽き、復活できたのはナタだけ。天界で仙人試験に受かれば蓮に力を与えるアイテムが手に入るが、ナタが使うのは魔力で、仙人界じゃ御法度。そこでゴウヘイの魂がナタの体に同居し、試験の時だけゴウヘイがナタの体を使って妖怪退治の試験をこなす――というのが前半。
ナタは目にクマがあってブタ鼻で歯がギザギザで粗暴な悪童。ゴウヘイは冷静で優しく、面立ちも立ち姿も優雅な優等生タイプ。属性は炎と氷。まさに水と油ですが、天界の秘宝「混元珠」が二つに分かれた魔丸と霊珠からそれぞれ生まれたので元は一つ。このコントラストと一体性の往復が物語を引っ張ります。前半は、ナタの肉体を操るのがナタとゴウヘイとでコロコロ入れ替わり、ゴウヘイ操るナタは切れ味鋭いアクションを見せるが、ナタ本人は失敗ばかりで行儀も悪い。見守るタイイツはハラハラ、観客はゲラゲラ（不発なギャグもありますが）。
ゴウヘイの父は龍（りゅう）…
