ブラジル最高裁は11日、クーデターを企てた罪などに問われていたボルソナーロ前大統領(70)に、拘禁刑27年3カ月の判決を下した。トランプ米大統領は同日、記者団に対して「恐ろしいことだ」と非難。「（米国の裁判所が）私にしようとしたことと、とてもよく似ている」と自身の境遇と重ねた。
- トランプ氏、ブラジルへの関税50%を命じる 前大統領の処遇に不満
ボルソナーロ氏らは今年2月、現大統領のルラ氏に敗北した２０２２年の大統領選をめぐり、結果を覆そうとしたクーデター未遂の罪などで起訴されていた。
今月2日に始まった公判では、判事5人のうち過半数の4人が有罪を支持。モラエス判事は「ブラジルの選挙制度を攻撃するように国民を扇動した」と主張した。ボルソナーロ氏は体調不良を理由に法廷には出席しなかった。
19年から1期4年間大統領を務めたボルソナーロ氏は、トランプ氏を繰り返し賛美し、「ブラジルのトランプ」とも呼ばれた。トランプ氏は7月、ボルソナーロ氏の裁判を「魔女狩り」だと批判。8月にはブラジルに対して50%の関税を発動し、両国間の緊張が高まっている。
