スマホやパソコンの画面に突然、性的な広告が表示されることは珍しくありません。子どもと一緒に見るゲームの攻略サイトや、料理のレシピサイトで目にすることも。なぜここまで広がっているのか、インターネット広告の仕組みに詳しい元電通の長沢秀行・クオリティメディアコンソーシアム事務局長に聞きました。
- 子ども向けサイトに性的な広告 「急激に荒れてきた」ネットの事情
インターネット広告の質は、特にここ数年は落ちていると言わざるを得ません。
詐欺まがいの広告に闇バイト広告、スマホやパソコンの画面に表示される露骨で性的な表現の広告に悩む人も多いと思います。
なぜか。原因の一つとして、ネット広告の仕組みがあります。
ネット広告には大きく分けて「予約型」と「運用型」の二つがあります。
予約型は従来の新聞や雑誌の広告と同じ。特定の枠を広告主が購入し、表示回数や配信期間などを元にお金を払います。広告表現について事前にチェックが入ります。
一方、いまやネット広告の大部分を占めるようになったのが運用型です。ユーザーがサイトを訪れた際に、どんな広告を表示するか、多くの広告主の間で瞬時に入札されます。広告主と媒体がリアルタイムで条件をすりあわせる方法で、配信技術の効率化で可能になりました。
運用型の場合、予約型のようにいちいち掲載前に広告表現のチェックはされません。運用型がネット広告の主流になったこの10年、広告の質は急激に落ちました。
■プラットフォーム企業の「緩…