ブロッコリーのゴマあえとカリフラワーの甘酢炒め=島村温子撮影

 緑のブロッコリーと白いカリフラワー。ゆでてマヨネーズもいいけれど、これだ!という食べ方を見つけたい方に、中国料理のレシピをお届けします。東京・浅草で四川料理店「巴蜀(はしょく)」を開く荻野亮平さんが、北京のレストランで覚えたもので、どちらも味わいにひねりがきいて、作り方は簡単です。西洋野菜との「おいしい融合」をお楽しみください。

ブロッコリーはぐらぐらの湯でゆでない

 ボリボリと緑の野菜を食べる喜びが味わえる「ブロッコリーのゴマあえ」は、レストランで前菜として出されていたひと皿だ。

 ゆでたブロッコリーにねりゴマ、しょうゆとからめていくレシピは和風のようだが「少量のニンニクによって印象が変わります。北京らしい味です」。

記事の後半で、「ブロッコリーのゴマあえ」と「カリフラワーの甘酢炒め」の詳しいレシピを紹介しています。

 まずはブロッコリーのゆで方。荻野さんは、ゆで時間の違いから茎と小房を分けている。どちらも沸騰の手前で鍋に入れ、湯の表面が静かに波打つ程度に火を保つ。ぐらぐら沸かさないことで、小房のつぼみの部分だけがゆで過ぎになるのを防ぐ。

 大きめのボウルを用意し、湯を切らずにブロッコリーを入れたら、熱いうちに調味料を加え、汁気と合わせるように混ぜる。少量の酢と砂糖はさっぱり感と丸みを加える役目。つぼみが調味液を吸うので、薄味くらいでいい。

 生のニンニクは刺激が強く、粗みじんに切ることで、食べながら時々ピリッと辛みが走る。荻野さんは「この『時々』というのが、いいアクセントになります」。

カリフラワーの甘酢は「薄い味」で厚みだす

 もう一品、カリフラワーで「甘酢炒め」を作る。カリフラワーは乳製品を使う洋食、カレーなどのスパイス料理といろいろな味を受け止める素材で、北京の甘酢味にもすんなりなじむ。

 甘酢には甘みをひかえめにする薄い味と、黒酢を使った濃い味があり、カリフラワーに合うのは薄い甘酢。食べ飽きないやさしい仕上がりだ。現地では、うまみを加えるのに干しエビと干し肉を使っていたのを、今回はベーコンに置き換えた。

 手順はベーコンを炒め、カリフラワーを加えたら、調味料に水を足して蒸し煮するというもの。最後に汁気を飛ばすことで、味をからませる。加熱によって酸っぱさは抑えられ、味に厚みがでる。

 できたてだけでなく、冷めたものを翌日食べてもおいしい。「単品の野菜を、身近な調味料で多彩に変化させるのは中国料理の得意技。材料の使い切りにも向いています」

教える人 荻野亮平さん(四川料理巴蜀)

荻野亮平さん=島村温子撮影

 おぎの・りょうへい 1978年大阪生まれ。東京・浅草「四川料理 巴蜀(はしょく)」店主。共著に「伝統×現代 深化する中国料理」。店では時代別レシピで棒々鶏(バンバンジー)や麻婆(マーボー)豆腐の食べ比べも提供している。

■ブロッコリーのゴマあえ

=島村温子撮影

 【材料・2~3人前】 ブロッコリー250g、ゴマペースト大さじ2、ニンニクの粗みじん切り小さじ1、しょうゆ小さじ1⅓、塩ひとつまみ、砂糖小さじ½、酢小さじ¼、好みでラー油小さじ½

 【作り方】…

共有
Exit mobile version