スイスのジュネーブで開かれている、プラスチックごみ汚染に対処する国際条約づくりの政府間交渉会合が、最終盤を迎えている。今回は、意見の折り合いがつかなかった8カ月前の会合を受けた「延長戦」だが、今も着地点は見えていない。会期延長もにらみつつ大詰めの協議が続く。
「極端な主張ではなく、協調的な解決策を。責め合いではなく、実効性ある協力を」
交渉が始まった5日、ルイス・バヤス議長(駐英エクアドル大使)はそう各国に呼びかけていた。だが、会期中盤での全体会合でも、議論の進展の乏しさに各国からいらだちや懸念の声があがった。予定の交渉期限は14日だ。
前回の積み残し論点、隔たり今も
大きな焦点は、プラスチックの廃棄物管理やリサイクルといった「下流」での対策だけでなく、「上流」にあたる生産規制にどこまで踏み込むかだ。韓国の釜山で昨年11~12月にあった前回会合でも、生産規制について書かれた条文の取り扱いをめぐり、意見の隔たりは最後まで埋まらなかった。
他にも、使い捨てプラ製品やプラ製品に含まれる有害な化学物質の規制、プラごみの回収や処理、リサイクルなどに必要なインフラや技術が十分に整っていない途上国への技術や資金の支援のあり方などについても、妥結が見通せていない。これらも釜山からずっと残されている論点だ。
議長らは、再三交渉の加速化を促した。歩み寄りが見られないことに、交渉関係者は「糸口が見えず八方ふさがり。このままでは最悪の場合は、交渉決裂かプラ汚染対策としては意味のない条約になってしまう」と危機感を募らせた。
12日からは「条約の内容は…