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各国の意見を聞くルイス・バヤス議長=2025年8月15日午前7時3分、スイス・ジュネーブ、玉木祥子撮影

 スイスのジュネーブで続いていた、プラスチックごみ汚染に対処する国際条約づくりの政府間交渉会合は15日、合意を見送ることにした。前回の会合に続いて、またも各国が最後まで歩み寄れなかった。今後再び会合を開く方針だが、時期など詳細は未定だ。プラごみ問題への国際的な対応の遅れが懸念される。

 プラスチックを含む汚染は、気候変動や生物多様性の損失と並ぶ、現代の3大環境問題ともいわれる。2022年3月の国連環境総会で、国際条約づくりが決まり、各国は交渉会合を重ねた。24年末、韓国の釜山で開かれた5回目の会合で、1週間をかけて条文をとりまとめる予定だった。

 経済協力開発機構(OECD)は、環境へのプラスチックの流出を大幅に削減するためには、生産、使用、リサイクルや処理などの上流から下流までの「ライフサイクル」全体にわたる、世界全体での強力な対策を講じる必要があるとしている。だが、前回の会合では、生産規制などをめぐる意見の隔たりが埋まらず、合意は先送りに。今回の会合で、改めてとりまとめを目指していた。

日本も橋渡しの努力続けたものの

 今回は、会合前から非公式の…

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