5月30日は「ごみゼロの日」。近年深刻化しているのが、プラスチックごみによる汚染問題です。多くのプラスチックが実は、「本当の意味」でのリサイクルをされていないとも指摘されています。どういうことなのか。一般社団法人資源循環推進協議会の事務局長の笹木隆之さんに、リサイクルの現在地について聞きました。
――日本でのプラスチックのリサイクルにはどんな問題が指摘されていますか。
実は、回収されたプラスチックごみのうち72%が焼却されて、(温室効果ガスの)二酸化炭素(CO2)を出してしまっています。これを聞くと驚く人が多いのではないでしょうか。リサイクルされると思って分別していても実際には多くが焼却されているのが現実なんです。
回収されたプラごみを有効利用する方法には、マテリアルリサイクル、ケミカルリサイクルのほかに、プラごみを燃やした熱を発電に使う「サーマルリカバリー(熱回収)」があります。日本ではこれが「サーマルリサイクル」と呼ばれていることもありますが、多くのCO2を出すため、海外ではリサイクルと区別されています。
日本でもだんだん理解が広がり、区別されるようになってきています。焼却に回る72%というのは、熱回収される64%とリサイクルに回らずそのまま焼却される8%を合わせた数字です。
――なぜこれほど多くが焼却に回ってしまうのですか。
さまざまな理由があります…