女子生徒のほうが男子生徒よりも学校外でプログラミング教育の経験が少なく、保護者の期待も低い傾向が、国際NGOの調査で明らかになった。男子だとPC、女子だとタブレットが与えられやすいという結果も出た。
国際NGO「プラン・インターナショナル」(東京)が2024年8月、全国の高校生の男女2千人と、高校生の子を持つ保護者1千人を対象に調査した。
結果によると、学校でプログラミングの授業を受けたことがある生徒は全体の75.5%で、男女ほぼ同数だった。ただ、女子生徒の方がプログラミングに関心を持ちづらく、難しいと感じる傾向がみられた。
学校外でのプログラミング教育の経験を尋ねる質問では、プログラミング教室が女子1.3%、男子3.4%、プログラミング学習アプリやインターネット動画が女子2.6%、男子4.5%など、男子生徒の方が経験した人の割合が多かった。
保護者への調査でも、子どもの性別によって向き合い方に差が見られた。スマートフォンを持つ子どものうち、パソコンを与えられているのは女子で19.6%、男子で23.8%なのに対し、タブレット型端末は女子30.7%、男子26.6%。報告書では、「男の子だとPC、女の子だとタブレットが与えられやすい」と指摘した。
進路では、文系の大学や専門学校に通ってもらいたいと回答したのは、子どもが女性の方が10.4%(男性7.7%)と多く、理系の大学や専門学校は、子どもが男性の方が15.0%(女性11.1%)と多かった。
総合人材サービス会社「ヒューマンリソシア」(東京)が今年3月に発表した報告書によると、日本のITエンジニアの女性比率は18.8%。データを得ることのできた経済協力開発機構(OECD)加盟国33カ国の平均は20.6%で、日本はうち17位だった。
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報告書の全文は、プラン・インターナショナルのウェブサイト(https://www.plan-international.jp/press/20250327/)で公開している。