阪神の石井大智

 (13日、プロ野球 阪神タイガース2―0広島東洋カープ)

 身長は175センチ。プロ野球選手として決して大きい体ではない。それでも阪神の石井大智(28)は探求心を持ち続け、ここまで駆け上がってきた。

 プロ野球では珍しい国立の秋田高専出身。建築士を目指して5年間、環境都市工学を学んだ。卒業研究を担当した教授に「大学(編入)の推薦をもらえる成績だった」と言われるほど優秀だった。

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 卒業後は独立リーグ高知での3年間を経て、2020年秋のドラフト8位で阪神に入団した。支配下での指名の最後となる全体74番目だった。

 23年、3年目で中継ぎの勝ちパターンを任されるようになり、今季は抑えでの起用もある。

 開幕して間もない4月4日の巨人戦で1失点したのを最後に、任される試合でゼロを重ねた。6月6日のオリックス戦で打球が頭に当たるアクシデントもあったが、7月に復帰すると変わらずに好投を続けた。

 「相手打者の研究や分析が昨年よりもできるようになったし、数字としていいものが出ているので(自分のことを)信用している」。これまでの経験が糧になっている。

 9日のヤクルト戦で、憧れの選手だった藤川球児監督が持つ38試合連続無失点のセ・リーグ記録に並んだ。そしてこの日、西武の平良海馬が21年にマークしたプロ野球記録に肩を並べた。

 「いつかは(点を)取られるんで、それがいつなのかなって感じです」。記録へのこだわりは見せない。日々できることを考え、打者と己に向き合っている。

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