みなさん、こんにちは。プーチン氏が5月7日、5期目の任期をスタートさせました。その後の人事で目を引いたのが、国防相の交代でした。2012年から務めていたショイグ氏が国家安全保障会議の書記に異動となり、後任には経済学者出身で第1副首相だったベロウソフ氏が任命されたのです。
- プーチン氏、国防相らの交代決断 側近を解任、その息子を副首相に
こうした人事があると、どうしても政権内の権力闘争や後継者争いという切り口で読み解きたくなります。確かにそういう面も皆無ではないのでしょうが、今回の人事の主眼は、ウクライナ侵攻の長期化に備える態勢作りという意味合いが大きいと思います。
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戦時体制「ショイグ氏は任にあらず」
基本的には、ペスコフ大統領報道官の下記のような説明を、額面通り受け止めてもよいのではないでしょうか。
「国家予算に国防省と実力部門が占める割合は最近まで3%だったが、直近では6.7%まで伸びた」
「まだ危機的ではないが1980年代半ばの7.4%という数字に近づきつつある」
「実力部門の経済を、国家経済に組み込んでいくことが極めて重要だ」
ウクライナの「軍事作戦」を…