ロシア南部ボルゴグラードで2025年4月29日、国際フォーラムで演説するプーチン大統領。スプートニク提供=AP

 ロシアのプーチン大統領は11日、ウクライナに対し、トルコのイスタンブールでの停戦交渉を15日に再開することを提案した。前提条件はないとしている。ただ、欧州4カ国とウクライナが10日に提案した30日停戦案については触れず、停戦交渉に積極的なのはロシアだと、トランプ米大統領らに示す狙いだとみられる。

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 プーチン氏が11日未明、記者団に対して表明した。「ウクライナ政府に対し、彼らが2022年に中断した直接交渉の再開を提案する」と述べ、15日に前提条件なしで、以前に交渉が行われたイスタンブールで再開するよう呼びかけた。

 ウクライナなどの30日停戦案に関する発言はなく、「本当に平和を望む者なら、これを支持しないわけにはいかない」と強調した。

 ただ、プーチン氏は停戦交渉の目的を、「紛争の根本原因を排除し、歴史的な視点に基づく長期的な平和を確立すること」と主張し、ウクライナの中立化、非武装化といった従来の主張で妥協する考えがないことを示した。

 一方、ロシア国防省は11日、プーチン氏が戦勝80年に関連して一方的に宣言した、8日から3日間の休戦を終了し、戦闘行為を再開したと発表した。3日間休戦については、双方が、相手方が期間中も攻撃を継続したと批判している。

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