2025年6月20日、ロシア西部サンクトペテルブルクで開かれた国際経済フォーラムで演説するプーチン大統領=ロイター

 ロシアのプーチン大統領は11日、「ロシアの国家言語政策の指針」を承認する大統領令に署名した。ロシア大統領府が発表した。ロシア語を「ロシア国家の基盤の一つ」と規定。外国でのロシア語の規制を「脅威」と位置づけ、国外での影響力拡大を狙った内容となっている。

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 大統領令では「ロシア語はロシアの国家基盤の一つであり、伝統的なロシアの精神的・道徳的な価値観と不可分だ」と明記。旧ソ連構成国で「国際交流の言語」として活用し、ロシア語放送を他の国々も含めて推進するとしている。

 言語政策の「脅威」として「ロシア語に同義語が存在する外国語や、一般の辞書に掲載されていない外国語を公式の場で使用すること」「一部の外国政府によるロシア語使用の制限(縮小)の試み」を挙げた。

 ただ、ウクライナ全面侵攻後、プーチン政権のプロパガンダ拡散防止を目的に、欧州でロシアメディアへの規制などが強まったが、「ロシア語の使用制限やロシア文化の『排除』、ロシアメディアへの差別などの企てに対抗することに成功している」とした。

 ロシアはウクライナでロシア語を話す住民が迫害されていると批判し、侵攻の口実にもしている。他の旧ソ連構成国でもロシア語離れが進んでおり、ロシアの影響力低下の一因になっている。

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