ロシアから見える世界

 みなさん、こんにちは。ウクライナでの停戦をめぐるトランプ米大統領とロシアのプーチン大統領のやりとりは、同じところをぐるぐると回り続けて終わりが見えず、堂々巡りの様相を呈しています。

 両大統領は7月3日、約1時間にわたって電話協議を行いました。1月にトランプ氏が大統領に就任してから、早くも6回目です。しかし、プーチン氏は今回も、トランプ氏からの停戦の呼びかけを、つれなく拒絶しました。

  • 「プーチン氏との協議に失望」トランプ氏不満 米ロ協議は停滞鮮明

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 ロシアのウシャコフ大統領補佐官は、プーチン氏がトランプ氏に伝えたロシアの立場を、次のように説明しています。

 「ロシアは、設定した目標を実現する。それは、現在の深刻な対立をもたらした根本原因の除去だ。ロシアはこの目標から一歩も引かない」

 完全なゼロ回答です。

 電話を終えたトランプ氏は、さすがに不快感をあらわにして「まったく進展がなかった」と振り返りました。「とても良い協議だった」といったいつもの言葉は影を潜めました。

米ワシントンのホワイトハウスで2025年7月4日、肝いりの減税・歳出削減法案に署名した後、ポーズをとるトランプ大統領=ロイター。ロシア側の発表によると、トランプ氏は3日にロシアのプーチン大統領と電話した際、真っ先に法案が議会を通過したことを話題にしたという

 ただ、あいかわらず停戦を強…

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