ロシアから見える世界

 みなさん、こんにちは。ウクライナでの停戦をめぐって、これまでに見られなかったような動きが始まっています。プーチン大統領が5月11日、トルコのイスタンブールで15日にウクライナ側と協議をする用意があると、一方的に発表したのです。欧米からの停戦要求を、さすがに無視できなくなったのでしょう。ただプーチン氏は相変わらず紛争の「根本原因」の排除が必要だと主張しています。時間稼ぎを狙っている可能性もありそうです。

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 ロシアの姿勢の変化は、9日の対ナチスドイツ戦勝80年を記念する赤の広場で開かれた軍事パレードにも、すでに表れていました。

 注目点は、毎年恒例のプーチン氏の演説です。今年の演説は、米国や西側への直接的な批判を控えた、非常に抑制的な内容だったのです。今回は、この演説を読み解きます。

2025年5月9日、モスクワの赤の広場で開かれた戦勝80周年記念式典で演説するロシアのプーチン大統領=ロシア大統領府の公式ホームページから

 約9分間の演説の中で、プーチン氏は現在進めているウクライナ侵攻と80年前のナチスドイツとの戦いを重ね合わせて、ロシアの侵略を正当化する従来の主張を繰り返しました。

 「ロシアはこれまで、ナチズ…

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