モンゴルを訪問中のロシアのプーチン大統領は3日、首都ウランバートル中心にあるスフバートル広場で歓迎式典に出席した。プーチン氏に対してはウクライナ侵攻をめぐって国際刑事裁判所(ICC)が逮捕状を発行しており、加盟国のモンゴルは逮捕の義務を負うが、モンゴル政府は2日夜に到着したプーチン氏を逮捕していない。
歓迎式典では、モンゴルのフレルスフ大統領らがプーチン氏を迎えた。モンゴルメディアによると、両氏は会談や合意文書への署名式、記者会見といった日程をこなすという。
- モンゴルはなぜプーチン氏を逮捕しないのか 元ICC裁判官が解説
広場のそばでは多くの市民が見守り、プーチン氏への拍手も起きた。一方、記者の目の前で警察官が2人がかりで男性の腕をつかんで連行した。男性の額には何らかの文字がペンで書かれていた。男性は連行される間、「プーチンは殺人者だ。逮捕しろ」と叫んでいた。
さらにウクライナを支持するモンゴル人のグループの関係者によると、式典前に抗議活動を始めようとしたところ、当局に阻止されたという。
- プーチン氏「逮捕」の選択肢なかったモンゴル 外交攻勢狙うロシア
ウクライナのメディアによると、ウクライナ外務省報道官は2日、プーチン氏の入国を認めたモンゴル政府の決定について「ICCにとって大きな打撃だ。モンゴルは(逮捕状の出ている)犯罪者が裁判を逃れることを許したことで戦争犯罪の責任を共有した」とX(旧ツイッター)で述べた。(ウランバートル=畑宗太郎)