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埼玉県の大野元裕知事=2024年11月25日、埼玉県庁、中村瞬撮影

 埼玉県川口市や蕨市でクルド人排斥などを主張するデモが相次ぐ中、大野元裕知事は25日の定例記者会見で、罰則を伴うヘイトスピーチ禁止条例について「ヘイトスピーチ解消法が定める対応をすることがまずは求められているものと考えている。現時点で頭の中に条例制定はない」と述べ、慎重な姿勢を示した。

 さいたま地裁がJR蕨駅周辺で24日に予定されていたクルド人排斥などを訴えるデモを禁じる仮処分を決定した一方、24日当日には決定への抗議演説をしようとする人と阻止しようとする人の間で小競り合いが起きていた。10月には、ヘイトスピーチ禁止を求める市民団体が知事宛てに条例制定の請願書を提出している。

 大野知事はヘイトスピーチについて「法律に基づき、地域社会から徹底して排除されなければならないものだ」とした上で、地域の実情に応じて法律だけで不十分かどうかを検討する必要があると指摘。「罰則を伴った規制は県民の権利を制限することに繋がり、抑制的に行うものだ」との考えを示した。(中村瞬)

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