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元技能実習生の男が暮らしていた地域の町並み。多くの集合住宅が立ち並ぶ=2024年8月1日午後2時18分、福岡市東区、鳥尾祐太撮影

 国内で働く約40万人の技能実習生のうち、およそ半数を占めるベトナム人。実習生は建築や農業などの労働現場を支えるが、盗みなどで摘発されるケースが増えている。希望をもって来日したはずの若者たちは、なぜ犯罪に手を染めてしまうのか。

 空き家を狙って盗みを繰り返したとして、福岡県警は7月末、ベトナム国籍の男(32)=福岡市東区、窃盗罪などで公判中=を窃盗などの疑いで送検し、捜査を終結したと発表した。県警によると、男は2023年7月~12月、福岡県内の空き家に侵入し、盗んだノートパソコンからネットバンキングにアクセスして、現金約718万円を引きだした疑いなどがある。容疑を認めているという。

 捜査3課によると、男は15年5月、技能実習生として来日。長崎県内で溶接の仕事をしていたが、勤務態度を問題視されて帰国させられる恐れがあったため、職場から姿を消した。その後、オーバーステイ(超過滞在)の状態のまま、農業や自動車の解体業に携わったとみられる。「ベトナム国籍の知人から誘われたのをきっかけに、23年3月ごろから福岡県内を中心に窃盗をはじめた」と供述しているという。

 捜査関係者によると、男は来…

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