収監されている長男アンヘルさんの写真を持つネリダ・ルイズさん(画像の一部を加工しています)=2024年12月、カラカス、ラファエル・エルナンデス撮影

 マドゥロ大統領が強権支配する南米ベネズエラで、投獄される市民が後を絶たない。多くが、昨年7月の大統領選で3選したと主張するマドゥロ氏への抗議デモに参加した人たちだが、理由が不明のまま逮捕される人もいる。マドゥロ氏の大統領就任式を10日に控える中、政権側は亡命中の野党統一候補が帰国した場合の「即時逮捕」を明言するなど、圧力を一層強めている。

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 「息子は刑務所で誕生日を迎えた。クリスマスにも帰って来られなかった。彼に会えず胸が張り裂けそうだ」。首都カラカスに住むネリダ・ルイズさん(40)は昨年12月末、朝日新聞の現地スタッフの取材にそう言った。

 長男のアンヘルさん(17)が逮捕されたのは昨年7月31日。大統領選の3日後だった。午前10時ごろ、警察が突然自宅に踏み込み、自室にいたアンヘルさんを連行した。

 大統領選ではマドゥロ氏の強い影響下にある選挙管理当局が、マドゥロ氏の3選を発表。だが詳細な選挙結果は公表されず、国際社会からは疑義が呈されている。地元の人権団体によると、国内では選挙結果に反発した抗議デモの参加者ら2200人が逮捕されたという。

 だがルイズさんによると、ア…

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