南米ベネズエラで28日、大統領選挙があり、強権的な国家運営を続ける現職マドゥロ大統領(61)が3選を果たしたと、選挙管理当局が発表した。事前の複数の世論調査では、野党統一候補で元外交官のエドムンド・ゴンザレス氏(74)が大幅にリードしていた。野党陣営は開票の監視が妨げられていたと主張しており、今後の混乱が見込まれる。
- 強権マドゥロ政権のベネズエラ 近づく大統領選で野党候補がリード
選管によると、29日午前0時時点(開票率80%)で、マドゥロ氏の得票率は51.2%、ゴンザレス氏が44.2%。選管や最高裁判所はマドゥロ政権の強い影響力の下にある。
ベネズエラでは1999年にチャベス前大統領が権力を握って以降、反米左派の権威主義的体制が続いてきた。マドゥロ氏はチャベス氏死去後の2013年から大統領を務める。
信頼性低い選挙制度
前回18年の大統領選は有力な野党候補者を事前に排除したうえで再選した。野党側は選挙が無効だと主張し、国会議長のグアイド氏が暫定大統領の就任を宣言。米国などの西側諸国がグアイド氏を大統領として承認する一方、中国やロシアはマドゥロ政権を支援し、国際社会の対応は分かれた。
政権は今回の大統領選でも…