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写真・図版
アデリーペンギンたち=2019年12月、南極・昭和基地、中山由美撮影

 南極ではペンギンのうんちが地球温暖化の影響を和らげている可能性があるとの研究結果を、フィンランドのヘルシンキ大などの研究チームがまとめた。ふんから出るアンモニアが雲の形成を促し、雲が地表の気温を下げるとみられる。チームは、ペンギンとその生息地を守ることの重要性が示されたとしている。

 ペンギンなどのふんから出るアンモニアが、大気中の硫黄を含むガスと反応すると、雲の形成に必要な微粒子「エアロゾル」が発生。雲は断熱層となって地表温度を下げるとされる。ただ、雲ができる過程を確認できるほど詳しくアンモニア濃度を測った研究は限られていた。

 研究チームは2023年1月から3月、南極でアンモニア濃度を測定。4割強の期間は検出限界値未満だったが、8キロ先の6万羽のアデリーペンギンの群れから風が吹くと、検出限界値の1千倍超に高まった。群れが離れた後も、残されたふんがアンモニアの発生源となり、基準の100倍を超える状態が続いたという。

 エアロゾルの濃度についても…

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