神奈川県立上溝南高校(相模原市中央区)の生物探究部が、国と県が「絶滅危惧IB類」に指定する淡水魚ホトケドジョウの生息状況の観察を学校近くの八瀬川で続けている。昨秋の全国野生生物保護活動発表大会で、「ホトケドジョウをほっとけない」と報告したところ、林野庁長官賞に輝いた。
観察を始めたのは、2021年度に当時の部員が県水産技術センター内水面試験場(同市緑区)で、県内固有の絶滅危惧種について学んだことがきっかけだ。ホトケドジョウは、近い将来、野生での絶滅の危険性が高い「絶滅危惧IB類」に位置づけられていた。
22年度からは八瀬川で生き物の採捕をするとともに、川の水からホトケドジョウなどの特定の生物の環境DNAの濃度を測定する手法なども使って生息範囲を調べた。
ホトケドジョウの生息数が多い「ホットスポット」を推定し、24年度は生育に適した環境条件を調査した。
昨年11月、環境省と日本鳥類保護連盟が主催する発表大会で、「ホトケドジョウの保全活動~ホトケドジョウをほっとけない‼~」とのタイトルで発表した。保護連盟の担当者は、「外部の専門機関や専門家と協力し、DNA分析など最新の環境技術を生かしていることや、データを積み重ねて研究を発展させている点が評価された」としている。
プレゼンテーションをした3年生の矢田芭琉さん(17)は小学生時代から水辺の生き物に興味があったという。夢は水族館の飼育員になり、「ホトケドジョウを自分の手で繁殖させること」と話す。
同じ3年の秋田晴香さん(17)は犬や猫を飼う動物好き一家だ。入部して「DNA調査など、こんなに本格的な研究活動をするのかと驚いた」という。「日々の観察の積み重ねが新たな発見につながる、という科学の面白さを味わった」と振り返る。
八瀬川はアメリカザリガニやオイカワなど、本来はいなかった外来種の生物だらけ。人間の干渉によって本来の環境が姿を変えた実態を目の当たりにした。
秋田さんは「外来種も種の絶滅も、人間の営みが影響している。だからこそ人の手で元の自然に戻していく責任がある」と話している。
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〈ホトケドジョウ〉 ドジョウ科、日本固有種。口がとがっておらず、温和な顔に見えることから名付けられたという説がある。体長6センチぐらい。わき水の出るところを好み、ドジョウと比べ、あまり泥の中にもぐらない。流れの緩い小川や田んぼを好む。護岸工事などの影響で減少傾向にある。