顧客らが理不尽な要求をするカスタマーハラスメントについて、企業の対策が進んでいる。朝日新聞が実施した主要100社アンケートでは対策を実施している、また実施予定と答えた企業は87社に上る。録画したり、名札の表記を変えたりするほか、サービス停止に踏み込む企業も。各社は従業員が安心して働ける環境作りに力を注ぐ。

 西武鉄道は3月、駅員が常駐する82駅に、胸元につける防犯カメラ「ボディーカメラ」を配布した。カスハラや犯罪行為の記録を残すためで、使用時は録画していることがわかる表示が出る。駅員が常時着けるわけではなく、必要に応じて使うといい、データも一定期間保管したあとに削除する。

西武鉄道が82駅に配布した駅員の「ボディーカメラ」のイメージ=同社提供

 また、池袋や西武新宿など主要5駅では、オープンカウンターの天井面に録音機能が付いた防犯カメラを設置。91駅の対人窓口には独自につくったカスハラ防止のポスターを貼った。「従業員が安心して働ける環境を整えながら、カスハラ行為に毅然(きぜん)と対応するメッセージを込めた」(広報)。

 社員名の表記を変える企業も相次ぐ。カスハラでは従業員の名前をSNSにさらすケースもあるためで、特にトラブル対応の窓口は深刻だ。

 損害保険ジャパンでは、顧客…

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