デザイン性に優れた防災グッズを集めたカタログギフトが人気だ。販売するのは、幼いころに阪神・淡路大震災を経験した起業家。災害被害を少しでも減らしたいとの思いを込め、防災の新たな形を提案している。
見慣れた赤ではない灰色の消火器、いざというときに助けを呼べる、アクセサリーとして設計された防災笛――。防災カタログギフト「LIFEGIFT」(税込み1万4300円)には、一見すると防災グッズには見えない商品が16点並ぶ。カタログを贈られた人はそこから一つ、注文できる。備蓄可能な食品を集めた「LIFEGIFT Food」(同4290円)と合わせ、販売開始から3年で累計約2万冊売れている。
当初、出産・結婚祝いや結婚式の引き出物に使われたが、今年1月の能登半島地震を機に企業からの問い合わせが急増。不動産会社が契約者向けの入居祝いにしたり、証券会社が口座開設キャンペーンに活用したりするなど、販路が広がっているという。
販売するKOKUA(東京)の泉勇作社長(32)は、これまで各家庭でそろえるものだった防災グッズを、贈り物として定着させたいという。「いつ起こるか分からない災害への備えはコストと考えられがち。プレゼントにすれば相手を大事に思っている気持ちも伝えられる」
ルーツは神戸での被災、大学生からボランティアに
防災に関心を持つ契機は30…