2025年6月1日、ポーランド大統領選の決選投票の出口調査が公表された後、笑顔を見せる野党の保守政党が支持するナブロツキ候補=ロイター

 中欧ポーランドの大統領選の決選投票が1日に行われ、欧州連合(EU)に懐疑的で、野党・保守政党が支持する歴史家のナブロツキ氏(42)が接戦を制した。親EUの与党・中道政党のチャスコフスキ・ワルシャワ市長(53)は及ばなかった。

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 選挙管理委員会によると、愛国主義を掲げる保守政党「法と正義(PiS)」が支持するナブロツキ氏の得票率は50.89%、チャスコフスキ氏は49.11%。投票率は71.63%だった。

 ポーランドでは2015年から8年間続いたPiS政権が、司法への介入など強権的な政治姿勢を強め、民主主義の価値をめぐってEUと対立。23年の総選挙でトゥスク首相率いる中道政党「市民プラットホーム(PO)」が中心の親EU政権に交代した。

 ポーランドでは政治の実権は首相が握るが、大統領は議会が可決した法案への拒否権を持つなど一定の影響力を持つ。PiS出身のドゥダ大統領はトゥスク政権が進める法案に拒否権を発動するなどして阻止してきた。

 ナブロツキ氏も法案阻止などに動く可能性があり、難しい政権運営を強いられる。ナブロツキ氏はEUに懐疑的な姿勢をとり、トランプ米政権との関係強化を掲げている。一方、チャスコフスキ氏が当選すれば政権やEUにとっては追い風になるとみられていた。

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