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アルバニアで2025年5月16日、記者団に話すポーランドのトゥスク首相。代表撮影=ロイター

 ポーランドのトゥスク首相は3日の閣議で、大統領選で自党の候補が野党支持のナブロツキ氏(42)に敗北したことを受け、議会に政権の信任投票を求めたことを明らかにした。11日に下院で投票が行われる。政権与党は下院で多数派を占めており、議会での信任を得て求心力を維持するねらいとみられる。

 1日の大統領選で、野党の右派政党「法と正義(PiS)」の支援を得て当選した欧州連合(EU)懐疑派のナブロツキ氏は、親EUのトゥスク政権との対決姿勢を示している。大統領は議会が可決した法案への拒否権を持っており、政権の政策を阻止する可能性がある。

 トゥスク氏は、信任投票について「これまでのやり方をすべて継続しようとするものではない。新たな始まりとなるべきだ」と述べ、議会の信任を得て反転攻勢をめざす姿勢を示した。ただ、PiSは早期退陣を迫っており、難しい政権運営を迫られる状況を打開できるかは不透明だ。

 2023年に発足したトゥスク政権は、PiS主導の前政権のもとでの司法やメディアへの介入や、性的少数者の権利を抑える政策を転換しようとしているが、PiS出身のドゥダ大統領が法案に拒否権を行使するなどして止めてきた。ナブロツキ氏も阻止を継続する可能性がある。

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