札幌北は一回裏、満塁のピンチから2点を返されるも、エース中村やチームメートの表情は明るかった=2024年6月24日午後0時12分、札幌円山、鈴木優香撮影
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 (第106回全国高校野球選手権南北海道大会札幌地区Bブロック1回戦 札幌北3―10札幌日大)

 3―10のコールド負けにも札幌北のエース、中村一翔選手(3年)は晴れ晴れとした表情だった。「強い相手だったけど、全員で全力を出せて満足」

 一回、札幌日大の好左腕から先取点を奪った。1死満塁で右打席へ。直球だけを狙っていた。右翼線に走者一掃の二塁打を放ち、「まさか3人もかえせるとは」。白い歯を見せて振り返った。

 1年生の時からベンチに入り続けてきた。昨夏は一塁手で、2年連続で16強入りし、南北海道大会も経験した。

 最終学年で、投手に転向した。捕手と内野手は全員下級生だ。後輩たちが楽しくプレーできるよう、自分が支える側になろうとやってきた。

 マウンドでは「ボールが先行し、思う通りの投球ができなかった」。ただ、逆転されても、満塁のピンチを迎えても、マウンドでつくる輪の中心で、笑顔を絶やさなかった。

 森田有監督は、「内野陣、唯一の3年生としてよくここまで頑張ってくれた」とほめていた。(鈴木優香)

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