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マカオ返還25周年の記念式典会場に入場する中国の習近平国家主席(左)と岑浩輝・新行政長官=2024年12月20日、マカオ、高田正幸撮影

 外部勢力と結託して政府への憎悪をあおったとして、マカオ警察は、国家安全維持法違反の疑いで68歳の男性を逮捕したと31日に発表した。香港メディアによると、逮捕されたのは、民主派の前立法会(議会)議員、区錦新氏だという。2009年にマカオで同法が施行されて以降、同法違反容疑で逮捕される初のケースとみられるという。

 警察の発表などによると、区氏の逮捕容疑は22年以降、マカオの外部の反中組織に対して虚偽、かつ扇動的な情報を大量に提供するなどして拡散させ、中国政府やマカオ政府に対する憎悪を引き起こしたというもの。30日に身柄を拘束し、31日に検察当局に送致した。

 区氏は01~21年に立法会議員を務めた。21年の立法会選挙には立候補しなかった。

 マカオでは香港と同じく「一国二制度」が認められているが、19年に香港で始まった大規模デモをきっかけに、中国は香港だけでなくマカオでも国家安全維持を理由とする統制を強化している。

 21年の立法会選挙では当局側が「愛国者」と認めない民主派候補者の立候補が認められなかった。1999年にポルトガルから中国に返還されて以降、初めて民主派議員がゼロとなった。

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