パリで2024年7月22日、五輪の開幕を控え、国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長(右から3人目)と話すマクロン仏大統領(同4人目)=AP

 フランスのマクロン大統領は23日、仏公共放送のニュース番組に出演し、国民議会(下院)の選挙後初めてとなるインタビューに応じた。自らが率いる与党連合の敗北を認める一方、「勝者はいない」と発言。少なくともパリ五輪が閉幕した後の8月中旬までは新首相を指名しない考えを明らかにした。

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 マクロン氏は、6月上旬の欧州議会選で極右の流れをくむ右翼「国民連合(RN)」に敗北したことを受け、下院の解散総選挙を決定。突然の解散の決断がRNの勢力拡大と与党連合の敗北につながったとの受け止めが広がり、自らの求心力の低下を招いた。

 選挙後は内政に関するコメントを避けていたが、23日のインタビューで沈黙を破った。マクロン氏は選挙結果について、「与党は敗れた」と敗北を認めた。「国民は政治に協力し合うことを求めている」と述べ、幅広い政党が参加する連立政権を作る必要性を訴えた。

 しかし、下院では左派の政党連合「新人民戦線(NFP)」が最大勢力となる一方、第2勢力に転落した与党連合と第3勢力のRNがいずれも過半数に届かず、三つどもえの状態になっている。

 マクロン氏は事態を打開するための下院の再解散について、今後の下院内の交渉で過半数を形成した連立政権が「安定を望むならば解散はしない」と述べるにとどめ、憲法の規定で再び下院を解散できるようになる来年夏以降の決断には含みを持たせた。自らの辞任については否定した。

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