【動画】台湾からの誘客に乗り出す青森・大間町で開かれた「天妃様行列」=林敏行撮影
8月2日に始まる今年の「青森ねぶた祭」に、海を守る道教の女神「媽祖(まそ)」のねぶたが登場する。そのモチーフは、マグロ漁で知られる青森県大間町の神社で、300年以上続く信仰。町は今、この媽祖を使い、台湾からの誘客に乗り出している。
媽祖とは
中国沿岸部や台湾など中華圏で広く信仰される道教の女神。960年に中国福建省で生まれた実在の才女が、死後信仰されるようになった。台湾には約870の媽祖廟(まそびょう)があり、現在は海上守護に限らず、様々な願い事をする対象として親しまれ、旧暦3月23日の誕生日は、盛大にお祝いされる。
「難しい! 俺、化粧したことないもん」。青森市で7月13日夜、「ねぶた愛好会」のねぶた師、諏訪慎(まこと)さん(45)がねぶたのほおに紅をさしていた。女性の大型ねぶたを作るのは初めてという。
作品のテーマは「大海の守護神 天妃(てんぴ)様」。「天妃様」は媽祖の別称で、来年の青森港開港400周年を前に海上安全の願いを込めた。
祭りの主役を飾る、幅9㍍、高さ5㍍の大型ねぶたは、伝説や神話を基に作ることが多い。台湾出身の会員黄筱雯(こうしょうぶん)さん(37)が1月、総統選の投票で帰省した際に集めた媽祖像の資料などを基に、諏訪さんが設計図の「下絵」を描いた。
黄さんがこのテーマを提案したきっかけは、大間町の「天妃様行列」。1996年に始まり、今年も「海の日」の15日、漁港近くで開かれた。
同列にまつられる神社ここだけ
ドラや爆竹の爆音が響く中…