マダニが媒介するウイルス感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」について、国立健康危機管理研究機構は19日、今年の患者数が135人(速報値)になったと発表した。2023年の134人を上回り、過去最多になった。
国内では13年1月、初めて患者が確認された。20年まで毎年60~100人程度の患者が報告され、21年以降は毎年100人以上の報告が続いている。西日本を中心に報告されていたが、今年は関東や北海道などでも報告されている。
厚生労働省によると、SFTSは、SFTSウイルスを保有するマダニに刺されることで感染する。SFTSを発症しているネコやイヌなど動物の血液などの体液に直接触れた場合に感染する可能性もある。発熱のほか、嘔吐(おうと)や腹痛などの症状が出る。高齢者は重症化しやすいとされ、致死率は10~30%程度。春から秋にかけてマダニの活動が盛んになるため、草むらに入るときには長袖、長ズボンを着用するなど肌の露出を少なくすることが重要という。