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マニラ市長とマニラ警察の担当者が捜査状況を説明した記者会見=2025年8月19日、マニラ、ジョナ・ジオラゴン撮影
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 フィリピンの首都マニラで日本人2人が射殺された事件で、警察当局は19日、記者会見で、拘束された容疑者2人について「日本人の首謀者にカネで雇われていた」との見方を示した。一方、容疑者の弁護人は同日、取材に応じ、「2人とも事件に関与していない」と主張した。

 地元当局は、容疑者がマニラ近郊パンパンガ州に住むフィリピン人で、62歳と50歳の兄弟だと発表した。

 19日、マニラ市長とともに会見に出席したマニラ警察の指揮官の捜査状況の説明によると、警察が防犯カメラ映像の捜査から、容疑者が事件現場などを事前に下見していたことが判明。また、交友関係の捜査や聞き込み情報などから、被害男性と金銭トラブルのある日本在住の日本人の関与が浮上した、という。

 容疑者は900万ペソ(約2300万円)の報酬で殺害を依頼され、これまでに頭金として1万ペソ(約2万6千円)を受け取っていた、とも説明した。

  • 【画像】事件の一部始終を映した防犯カメラ映像=2025年8月15日午後10時41分、マニラ、地元当局提供

 警察によると、15日夜、マニラ市マラテ地区の路上で、41歳と53歳の日本人男性2人がタクシーから降りた直後、男が近づき、銃撃した。男はカバンを奪い、バイクで逃走した。被害男性2人はその場で死亡した。警察は18日、容疑者2人を拘束した。

 一方、弁護人は報道陣の取材に、容疑者2人の関与を否定した。弟は銃撃を実行した疑いがもたれているが、「マニラにおらず、現場に行っていない」と主張。兄は旅行ガイドの仕事をしており、当日は被害男性2人に同行していたが、事件と関係がないとしている。

  • フィリピン・マニラで日本人2人が銃撃され死亡 多発する拳銃強盗

 捜査当局は強盗殺人事件として捜査を始めたが、防犯カメラ映像や目撃証言から、金品を要求する前に突然撃った可能性があると判断。殺人容疑と窃盗容疑での訴追を視野に調べを進めている。

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