《わたしの折々のことば yurinasiaさん(中)》
一面鏡張りの室内に熱気がこもる。ネオソウルバンドのインディーズ曲にあわせ、子どもから大人まで60人を超える生徒たちが所狭しと踊る。
手本を見せるのは、福岡県水巻町を拠点に活動するダンサーのyurinasia(ユリナジア)さん(31)。毎週金曜の夜、町の総合運動公園のトレーニング室を借り、夫でダンサー・映像作家のayumugugu(アユムググ)さん(35)とともにダンス教室「jABBKLAB(ジャブクラブ)」のレッスンを開いている。
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レッスン参加の問い合わせや見学者が海外からも来るようになったこの場所は、自身が中学3年生の時、ダンスを習い始めた場所だ。才能を見込まれ、数カ月後には子どもたちの指導を任せられた。20歳のころには、恩師から教室を譲り受け、jABBKLABを立ち上げた。
ダンス仲間のayumuguguさんと結婚したのは21歳の時。長女を妊娠し、おなかが大きくなってからも、出産ぎりぎりまでレッスンを続けた。
3日もかかる難産だった。それでも夫や実家の両親に協力してもらい、産後2カ月でダンスバトルに出場し、ダンサーとして復帰した。
体力的にはきつかったが、子…