市民マラソンの代表格「大阪マラソン」(大阪府、大阪市、大阪陸上競技協会主催)と「東京マラソン」(東京マラソン財団主催)で今年、どんな性別の人でも申し込める「ノンバイナリー」枠が設けられた。来年開催の大会でも継続される。意義と課題を探った。
横浜市にすむ会社員の松井智紀さんは2月、大阪マラソンを「ノンバイナリー」枠で走った。
各地でフルマラソンの大会に出て約8年。男女いずれかの枠でしか走れないことに、モヤモヤしてきた。
自身の性別は「人に表明する必要のない情報」と思っている。様々な提出書類の性別欄は極力記入せず、戸籍上の性別が印字されたものは上から消すこともある。
性別について「生物学的な分類だと理解しているけど、それだけのものがあまりにも社会的に意味を持ちすぎている」と感じる。
昨年7月、大阪マラソンの申し込みサイトで、性別を選ばなくていい「ノンバイナリー」枠を見つけた。「ずっと願ってたことがかなった」
だが、大会前に出場者へ配布される案内資料を読み、心配になった。
会場入り口からスタート地点…